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ある日の夜、
ワタシは王子様を部屋へと誘った。


ワタシが淹れた紅茶を飲みながら、
2人ベットの上で寄り添い同じ本を読む。


本を読んでいるうちに眠ってしまった彼。
でもワタシは気にしない。


お揃いの緑の髪紐を解き、
シワのないシャツのボタンを外し、
無防備な首元に刃を突きつける。


ずっと考えていた。
大好きな彼から何をもらおうかって。


多彩な知識が詰まった脳みそ?
優しい鼓動を打つ心臓?
陽だまりのように温かい身体?


違う。
ワタシが欲しいのはそんなものじゃない。


記憶も、心も、肉体も
彼がもっているもの“全部”が欲しい。


でも勝者がもらえるのは1つだけ。
ワタシはその1つがまだ分からない。


彼の目がゆっくりと開き、
エメラルド色の瞳が真っ直ぐワタシを見つめる。
どこからかあのフクロウの声が耳元で囁く。


「            」


あぁ、そうだ。
この視線に、この瞳に、


ワタシは恋をしたんだ。