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ある日の夜、
王様がワタシにこう言った。


「 可憐なお姫様、君の願いを叶えてあげよう 」


ワタシは願う。


“ あの子が嫌い! ”


生まれてはじめて誰かを嫌いになった。
きっと今のワタシの顔は可愛くも美しくもない。


目を閉じ黙り込む王様。


そうやってあなたもワタシから目を逸らすのね。
でもワタシは知っているの。


他の誰よりも優しいあなたは
何でもワタシの言うことを聞いてくれる。


他の誰よりも臆病なあなたが
一番ワタシを求めている。


“ あなたはもう1人では生きていけない ”


次の日、王様はあの子にこう言った。
家に帰りたいのなら森に住む魔女を殺せ、と。


あの子は1人森へと旅立った。
小さくなっていく背中をワタシはお城から見つめた。


さようなら、名前も知らない子。
もうあなたと会うことはないでしょう。