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ある日の夜、夢をみた。


竜巻に飛ばされて辿り着いた先は、
絵本にでてくるような御伽の世界。


賢い脳みそをもったカカシ
温かい心臓をもったブリキ
強い身体をもったライオン


魔女からもらった赤い靴を履いて、
王様がいるお城で王子様と踊る、ドキドキする夢。


お姫様はアタシのことが嫌いみたいだけど、
アタシはあの子ともお友達になりたかった。


夢の続きが気になったアタシは、
朝おばあさんの声で目を覚まして、
手と服が土で汚れるまで働いて、
夜おじいさんが作った藁のベッドの中で目を閉じる。


だけど、
どんなに深く眠っても、
どんなに長く目を閉じていても、
あの夢に出会うことはなかった。


大人になったアタシは
夢を見ることを忘れてしまったらしい。